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マツコ・デラックス×池田清彦が読む人すべてをほっとさせてくれる対談集『マツ☆キヨ』

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こんにちは。橘です。
みなさん、『ホンマでっか!?TV』というバラエティ番組はみてますか?
さんまさんが司会で、マツコ・デラックスさんやブラマヨさんたちが
みんなでわちゃわちゃしているアレです。
私、あの番組が大好きなんですけど、なにが好きってレギュラーの専門家の先生たち。
すごく頭のいい人たちってやっぱちょっと変だよなあ、
なんて思いながら、芸能人以上にしっちゃかめっちゃかな先生たちが観たくて観てる、
といっても過言ではないのですが、先生たちの一本筋のとおった、
突きぬけた人間性と知性の高さにいつもほれぼれしてしまうのです。
 
なかでも、一番温厚なようできわだっておかしな人ともいえるのが、生物学者の池田清彦先生。
その池田清彦さんとマツコ・デラックスさんが対談して、
しかも番組一の偏屈者である脳科学者の澤口俊之さんが解説を書いている、
とくれば読まないわけにはいかないと飛びついた本が
『マツ☆キヨ 「ヘンな人」で生きる技術』。
200ページ程度の薄い文庫本なのですが、驚くほどに内容が広く、深く、
正直言って読んでる途中で何度か涙ぐみました。マジで。
もっと話題になってもいいんじゃないの? これベストセラーになるべき本でしょ?
と思った私もやっぱり「ヘンな人」でマイノリティなのかもしれません。
 

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いつか対談しようと言っていたおふたりが、
ようやく実現しそうになったときに起きたのが東日本大震災だった、
ということで話題は震災のことから始まり、
進みすぎた情報化社会への恐怖だとか、
マイノリティの社会におけるポジションの話だとか、
マイノリティの中でも優劣をつけたがる人間誰もが持つ差別意識の話だとか、
話題はどんどん広がっていきます。
 
このお二人の話がおもしろいのは、
マツコさんは決して一方の立場に限らず話す——
つまりたとえば、
自分がマイノリティだからといって「差別されている側」だけの視点にならないこと。
少数派が、「自分たちは特別だ」と思いたがって、
一方的になってしまうことがあることも知っている。
これはただの一例ですが、自分の考え、自分の常識、自分の正しさを、
常に疑うことを知っているマツコさんの話だから、
私たちも耳を傾けられるんだと思います。
 
対して池田さんは、人間を一つの生物としてとらえているから、視野が広い。
単純に、自分の感覚と違うからおかしいと疑問を呈するのではなく、
自分の存在や行動さえも客観的に分析して
たとえば差別・被差別の問題も「構造」として語る視点を持っている。
だからその言葉に説得力があるのです。
 
とはいえ人間ですから、もちろん感情論が皆無なわけじゃなく。
絶妙なバランスの上で二人の対話が進行していくのがもう、ほんとうに、面白い。
二人とも、そうとうに毒を吐くしね。
 
解説で澤口さんも
「本書を読むことで、おそらく全ての人がほっとしたり清々しい気持ちに
なったりすると思うが、その理由は『変人の普遍性』にあるはずだ」
「誰だって『変人』なのである」と言っていますが、まさにそのとおり。
みんなそれぞれに、ヘンなところがあるんです。
表向きは調和させていてもいいけど、そのヘンなところはそのままにしていていいじゃない、
というようなことを思わせてくれる。
私が何度も涙ぐんだのは、そのせいだと思われます。
 
人によってたぶんどこでぐっとくるかは違うだろうなあ、
と思ったこともあり、具体的な引用は控えますが
(個人的には「好きを仕事にしたら幸せとかそんなこと言った奴誰だ! あんなん嘘だ!」
「好きを仕事にしたら、仕事以外に好きなことなくなっちゃうから大変だよねえ」
などという話のくだりはかなりほっとしたし、うなずいた)
 
仕事の話だったり、政治経済の話だったり、
こんなに軽く読める薄い本なのに、なんだこの読みごたえは!
と驚かされたもので、ぜひともみなさんにおすすめしたいと思った次第。
情報量だけじゃなく、「自分で考える」ことをたくさん教えてくれる一冊です。
 
池田さんの他の本も読んでみようっと。
 

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『マツ☆キヨ 「ヘンな人」で生きる技術』
マツコ・デラックス 池田清彦
新潮文庫 460円(税抜)
 
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美伝子Labライター

フリーライター作家橘 もも
講談社X文庫ティーンズハート大賞<佳作>受賞して作家デビュー。

大学卒業後、ダ・ヴィンチ編集部にて雑誌&書籍の編集者として勤務しつつ、作家業を続ける。現在は、フリーでライター・編集業(立花もも)、作家業(橘もも)の二足のわらじ。小説のほかにも、映画やゲームのノベライズ、絵本やノベライズの翻訳などを手掛ける

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