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心のデトックス読書のススメ/身もだえするほど痛くて笑えてしかも胸キュン東京タラレバ娘

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ステップ1やさしくすばやくメイクを落とす

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ステップ2保湿しながら洗顔する

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ステップ3オールインワンを極めました

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突然ですが、ドラマ『選TAXI』がおすすめです。
バカリズム・脚本、竹野内豊・主演という異色タッグに、
ひそかに胸をときめかせていたのですが、これがまあ、大当たり……!
毎回かわる主人公たちが「あのときもしこうしていれば」という、
人生の分かれ目となった瞬間に戻り、選択肢を変えていく。
その手助けをするのが、豊演じるタクシー運転手・枝分(えだわかれ)さん。

ありますよねー、誰にでも「もし」の瞬間って。
ああ、まちがえた! ちがう、こっちじゃなかった!
そんなことの積み重ねで「今」があるわけですが、
枝分さんのいない現実では、ふりきって生きていくしかありません。
うしろ向きに「もし」を考えるのではなく、
未来のために「もっとこうすればいいんだ!」と前向きに考えよう!

……そんなふうに、思っていませんか。

「あと5キロ痩せれば」「ネイルをいつもきれいにしてれば」
「仕事も手を抜かずにがんばれば」
「毎日笑顔でいることを忘れなければ」
私たちはきっと幸せになれるはず。
そんな根拠のない、夢みたいなタラレバ妄想、抱いていませんか。

そんなすべての(自称)女子にお薦めするのが、
東村アキコさんの新作マンガ『東京タラレバ娘』。

いやあもう、おそろしい人ですよ東村さんは……!
「東京オリンピック開催決定にのきなみショックを受けていた
独身アラサー・アラフォーの女友達をネタに
そのまんまひどいマンガを描いてやろうと思った」という、
もうその精神からしておそろしいのですが、
「ひいいい、7年後私はどこでなにを……!」
「浮かれきった東京で独身のままオリンピックみるなんていや!」
という阿鼻叫喚とともに浮き彫りになった女子の不安や恐怖を
笑いとトキメキをまじえたフィクションに加工して
むきだしに描き切るその手腕はもう、見事です。まじで。すごい。天才。
(あ、ちなみに能年ちゃんで映画化する『海月姫』の作者です。これも傑作)

主人公は33歳、ネットドラマを中心に活躍する脚本家。
がむしゃらに頑張って仕事も充実しているけれど、彼氏はいない。
そのほか2名の親友も、美人でスタイルもいいのにやっぱり独身彼氏なし。

見た目も、性格も、稼ぎも、
すごく悪いわけでも、男が引くほどいいわけでもない。
それなのに彼氏がいない。結婚できない。なぜ!
わからない。
でもきっと努力が足りない。だからがんばる。
美容&ファッション誌の特集みながら、
「もっとこうすれば」とあてどない保証のない努力を続ける。

でもまわりをみてくださいよ。
彼氏がいる子はみんな美人ですか?
性格悪い子はすべからく不幸ですか?
その努力、正しいですか?

というのをつきつけられて、
「……でもじゃあ、どうしたらいいの…………っっ(号泣)」
となるアラサー女子たちの話です。
ほら、おそろしいでしょ☆

でもね、先述したとおりトキメキもあるのですよ。
主人公の前に現れる、20代の若くてクールなイケメン・ドSモデル。
彼との関係は1巻からすでに急展開を見せていて、
「ちょっ……! そこで終わるとか鬼かあんた……!」と身悶え。キュン死に。
まあ、一線超えたからといって、
わたし、年下の彼氏ができちゃいました、がんばった甲斐あって人生逆転。
みたいな展開にはぜ……っったいにならないと思うので、
それはそれで本当に楽しみ。

そして「『結婚したほうが絶対 絶対 幸せだよ☆』なんてみじんも思っていない」
という東村さんだからこそ描くことのできる、
みっともなさと誇らしさがカオスとなったアラサー女子の生き様が、
笑いに昇華され、そして私たちへの激励となっているのです。

「30代は自分で立ち上がれ」

イケメンモデルが放ったその言葉こそが、
この作品の真髄なのではと思うのです。

タラレバ娘、そして20代にあぐらをかいているタラレバ娘予備軍は、是非読むべし。
「わたし結婚してる(彼氏いる)し毎日幸せ。」って人も、
まわりに一人は必ずタラレバ娘がいるはずですし、
我が身をふりかえっても
身に覚えのない人はおそらくいないんじゃないかとも思うので、
ぜひ女子会の酒の肴にしてみてください。
あ、ちなみにこじらせ男子が「面白かった!」って言ってたから、
たぶん男子が読んでもおもしろいよ!

タラレバ娘

 

『東京タラレバ娘』(1巻)
東村アキコ 講談社KC Kiss 429円(税別)

 

About The Author

フリーライター作家橘 もも
講談社X文庫ティーンズハート大賞<佳作>受賞して作家デビュー。

大学卒業後、ダ・ヴィンチ編集部にて雑誌&書籍の編集者として勤務しつつ、作家業を続ける。現在は、フリーでライター・編集業(立花もも)、作家業(橘もも)の二足のわらじ。小説のほかにも、映画やゲームのノベライズ、絵本やノベライズの翻訳などを手掛ける